2006年08月22日

油の違い

Q: 床の油拭きについてお尋ねします。ホームページでいろいろと木に塗れる油があることが分かったのですが、無垢のヒノキの床に油を塗る場合、どの油を使うとよいのでしょうか。油によってどうかわるのでしょうか。

A : 床に塗られる場合には、通常乾性油と呼ばれる桐油、亜麻仁油、荏油が使用されます。

3 oil.jpg

これらの油は木の表面に膜をはるため汚れがつきにくくなり、防水性も上がります。桐油はそのままでは茶色ですが、塗ると透明感があり、木の色がそのまま楽しめます。

  3年経過
oil color.jpg

時間が経つと、桐油はやや黄色くなりますが、変色は少なく、亜麻仁油は、次第に茶色(焼け)が強くなり、荏油はややあめ色になります。

京都の町家の塗装では昔から荏油がもっとも良く使われております。粘度については、桐油が一番高く、荏油、亜麻仁油の順になります。冬場には粘度が高くなるため、桐油などは伸びが悪くなります。どの油も自然な植物油のため、匂いがあり、桐油が少しきつく、荏油、亜麻仁油は若干です。いずれにしろ、風通しがよければ2〜3週間でほとんど抜けます。木の種類の違いによる変化は、ほとんど感じませんが、この点は今後調べていきたいと思っております。
posted by 油屋のオヤジ at 13:02 | TrackBack(9) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月09日

油の保存方法について

Q :『荏油』の保存方法はどのようにしたらよろしいでしょうか?夏場などは、購入後は、冷蔵or室温のすずしいところのどちらがよいか、わからずにいます。

A :どのような油も、すずしい冷暗所に保存してください。冷蔵の必要はありません。油は紫外線に当てますと酸化が進みますので、暗いところに保存してください。冬場に温度が下がりますと粘度が高くなり塗りにくくなるものもありますが、その際は湯煎していただけば塗りやすくなります
posted by 油屋のオヤジ at 16:12 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月03日

ボイル油とは?

Q : ボイル油という油を使うと、早く乾くと聞きましたが、ボイル油とはどういう油なのでしょうか?

A : ボイル油とは、乾性油に酸化促進剤(例えば、ナフテン酸金属塩)を加え、空気を吹き込みながら100〜150℃に加熱し酸化を促進させたもので、これによって、塗膜の乾燥速度が速くなります。良く、油を煮ると早く乾く、といわれる方がいらっしゃいますが、酸化促進剤を添加しなければ効果はあまりないようです。自然塗装油として市販されている油にも、このような処理がされている場合が多いのですが、酸化促進剤の人体への影響については、当方ではよくわかりません。
posted by 油屋のオヤジ at 16:22 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月31日

ワックスについて

Q :荏油を主成分としたワックスなるものが販売されていますが、使用した方がいいんでしょうか。 無垢材の感触や臭い、木の質感があまり変化しない管理方法がよくわからないので教えてください。また、よい管理方法があればお教え下さい。

A :荏油が塗ってあれば、特別なワックスは必要ないと思います。ワックスを使用すると木の表面のてかりが強くなるため、それを嫌う人もおられます。せっかく自然の油を使用されたのであれば、少し面倒でもしょっちゅう乾拭きをすることをお奨めします。

counter[1].jpg

ただし、カウンターなどの板の場合、荏油だけでは水跡ができてしまいますので、自然の蜜蝋ワックスなどを荏油の上に使われるとかなり効果があります。
posted by 油屋のオヤジ at 14:43 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月25日

荏油いろいろ

Q :荏油をホームセンターで購入しましたが、貴店のものと品質はどのようにちがうのでしょうか。 また、白木のフローリングに荏油を塗る場合、何回程度重ね塗りをすればよいでしょう。

A :ホームセンターで購入された荏油の詳細はよく存じませんが、おそらく特殊な加工を施し、乾燥速度を速めたものだと思います。それに対し、弊店の荏油は荏胡麻を搾っただけのいわゆる「生の油」で、科学的なものは入っておりませんので安心してお使いいただけます。(市販のものに科学的なものが入っているかどうかはよくわかりません。)

bengaranuri[1].jpg

油を塗るときは、刷毛ではどうしても塗面が分厚くなりますので、油を布に染み込ませて拭きこむことをお奨めします。重ね塗りについてはお好みではありますが、あまり重ねると、てかりが出て、ペンキを塗ったようになり、木の感触があまり味わえなくなりますので、せいぜい2回塗りまでで良いと思います。
posted by 油屋のオヤジ at 17:22 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月20日

フローリングのお手入れの仕方

最近、自然塗装が注目されるようになり大変多くのご質問をいただいております。その都度、自分でわからないところはいろいろ調べてお答えしてきました。以下、皆様にも参考になるQ&Aをご紹介していきたいと思います。

1.フローリングのお手入れの仕方

06.7.20ryoyuka.jpg

Q :木の家に住みたいと、リフォームで改装し、ヒノキのフローリングにしましたが、管理方法がわからずに困っています。市販品のフローリングは、表面処理されており、肌触りが悪いので、地元の製材屋さんで床材用に加工してもらったものでつくりました。大工さんの勧めで、とりあえず荏油を塗ったのですが、今後、どのように管理すれば、いつまでも木特有の感触や色つやを失わないのでしょうか。

06.7.20 yuka 001.jpg

 A :最近、乾拭きをされる方が少ないのですが、自然の油を使われた場合、乾拭きをすればするほど艶がでて、なんともいえない木の美しさが楽しめます。また、そうすることによって、木の油気がなくなってきたこともすぐわかりますので、そのときにはまた荏油を塗っていただけば、いつまでも美しさを保てます。どのくらい歩かれる場所かにも寄りますが、通常数ヶ月に1回程度 軽く油を塗っていただき、汚れは固く絞った雑巾で時々水拭してとってください。あとは乾拭きしていただくだけでいい艶が保てます。
ちなみに、床、廊下のお手入れには、半乾性油の菜種油などではすべることがありますのでご注意ください。
posted by 油屋のオヤジ at 15:41 | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月18日

油の乾燥とは?

「家でてんぷらに使った油を板塀に塗ったら、蟻がたかるわ、乾かないわで大変でした」と、おっしゃる方が時々おられます。蟻がたかったのは、おそらく糖分の混ざったものを揚げられた油だったのだと思いますが、乾かなかった点については油の性質によるところが大きいので、その点をご説明します。

まず、油の乾くというのは、湿ったものが水分をなくし乾燥するのとは異なり、脂肪酸の酸化重合という科学反応により油が硬化することを言います。したがって、ドライヤーで早く乾かそうとしてもあまり効果はありません。
その油の乾く速さにより、油を乾性油、半乾性油それと不乾性油に分類しています。(これはヨウ素価という指標によって分類されますが、これについては別の機会にご説明します。)

06.7.18mizuya,tubaki 006.jpg

乾性油には、木の塗装をはじめ、提灯や番傘用として使われてきた荏油、亜麻仁油、桐油などがあります。半乾性油には、その昔はお灯明用に 現代では食用としてよく使われる菜種油、

06.7.18mizuya,tubaki 008.jpg

不乾性油としては昔から女性の髪のお手入れに欠かせない椿油が代表的です。
ただし、油の原料となる植物が持つ、自然な抗酸化物質の含有量の違いや、精製(食用にするためには、搾った油から匂いや色、またろう分などを取り除きます)の度合いにより乾燥速度は変化します。

06.7.18mizuya,tubaki 007.jpg

うちの社長は「昨今の家はできたときが一番良いが、昔の家はできてから良くした」と、いつも言います。これは、昔の人は、油の特性をよく知っており、新築の家では、はじめは木に浸透していく菜種油を何年間も塗り、木の中まで油を染み込ませ 防腐、防虫をして、その後に初めて荏油などの乾性油を表面に塗り、年月とともに家をより美しく仕上げていったそうです。

06.7.18mizuya,tubaki 004.jpg

古い町家でもぴかぴかに光った柱や、水屋があるのは、そのように上手に油を使いながら、毎日のように乾拭きをしたおかげなのです。
posted by 油屋のオヤジ at 16:05 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月15日

竹に塗るとどうなるでしょう?

bengarakoushukai.jPG

不定期ではありますが、弊店では2ヶ月に1回程度の間隔で「べんがら講習会」を実施しています。参加者は、自分の家のべんがら格子を塗り直したい方からペンキ屋さんや建築家といったプロの方までいろいろですが、先日は竹屋さんの青年会の方からのご依頼で説明させていただきました。

06.7.5take01.jpg

そこで、せっかく竹の専門家の方たちが来てくださるのだからと、今年はじめの門松(弊店では毎年新年には、自前の門松を店先に飾ります)に使った竹が残っていたので、それに塗ってみました。

06.7.5take04.jpg

竹の表面には、さすがにべんがらは入りませんので、色付けはできませんが、切り口の部分にはきれいに入りました。特に赤色は鮮やかで、竹の面白い切り口の模様がくっきり現れ、デザイン的にも大変美しいので何かに使えるのではないか?と、竹の素人ながら思ったしだいです。
次に、表面に荏油、亜麻仁油、桐油を塗って、その差を見てみました。油は通常の木材によく浸み込みますが、竹にはあまり浸み込みません。そのためか、たくさんの油が表面で固まるため、かえってそれぞれの油の特徴が良くわかるようです。

take02.jpg06.7.5take03.jpg

まず、表面の色合いが、荏油を塗ったところは緑っぽく若々しくなり、艶も明るく出てきます。亜麻仁油も同系統ですが、荏油ほど若々しさはでません。以前から、竹には桐油が良いと聞いてきましたが、表面で乾燥するとやや白っぽく、艶もあまり出ません。まだ、このサンプルを作ってから2週間しかたっていませんので経時変化、特に対光性について、もう少し見ていく必要がありますが、今までのところでは竹には荏油がよいと感じております。
防水性については、ただでさえ竹は水をはじきますが、油を塗ると完璧です。

それと、以前やったことがあるのですが、竹の内側の白い部分に柿渋を塗るときれいな赤茶色になります。竹の釣竿にも柿渋を塗るといいますので、おそらく、防水性を高め、竹を強くする効果もあると思います。




posted by 油屋のオヤジ at 16:07 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月14日

序説

近年、ハウスシック症の問題がクローズアップされてから、いわゆる自然塗装が注目されるようになりました。

abura,bengara.jpg

自然塗装といってもいろいろありますが、べんがら、柿渋、桐油、荏油などを使った物を少しずつ説明して行きたいと思います。

先人の知恵とはたいしたものです。自然の油や柿渋などを使って木材が長持ちするように防水、防虫、防腐することをちゃんと知っていました。ところが、人間は簡単に塗れ、早く乾き、見た目がよくなるペンキを開発し、ここ数十年でかつての自然な塗装をする人はほとんどいなくなりました。その結果、近年ハウスシック症なる問題が取りざたされるようになりました。これは人間に起こった問題であるので誰もが注目しますが、一方、そんなペンキを塗られた木材たちは、その後どうなったのでしょう。自然塗装であれば木は呼吸していられますので、長生きできます。それこそ弊店の200年の自然塗装を施された建物は今も元気です。しかし、ペンキで表面の呼吸を止められた木材たちは、年月が経つとどうなるのでしょう?そんな家がこれから増えていきはしないかと心配になります。

建築用油について最近毎日のように全国からお問い合わせをいただきます。先に申し上げたハウスシック症の問題が起きてから注目されだし、ここ2,3年前から問い合わせが徐々に増え始めました。特に先月NHKの朝の「まちかど情報室」で桐油をフローリングに塗るという話が取り上げられてから急増しています。
posted by 油屋のオヤジ at 15:57 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。